売り手市場はナースだけ

今は、インターネットによってあらゆる情報が開かれて、必要とあれば殆どの知識を吸収することができる。
そんな中で、「学校」と言う制度の必要性が改めて問われる時代だと考える。
幼児期や小学校においては、まだ様々な知識が備わっていないこの時期に、これから将来において生き抜くための必要な知識を吸収する為の教育機関は確かに必要だ。
しかし、「学校」として教育を行うのは、単に知識の吸収だけが目的ではない。
人間は、ひとりで狩を行う種族ではなく、共同の行動により、非力な人間が現在あらゆる生命の頂点へと君臨している。
その為、「学校」などで行動をともにすることにより、共同生活での信頼関係や絆を育むことも大切な教育のひとつだと考える。

学校といえば、多くの団体が運営する専門学校・大学など多彩に設けられているのは看護師の育成。即効力のある分野は医療であり、なかでも就職・転職ともに売り手市場でホットなものと言えば看護師と言える。
国家資格であり、昇進も可能な分野なので公務員・民間どちらでも給与を向上させるチャンスがある。
強調したいのは、思いのままに公務員になれるということ。市民病院を例にあげるとわかりやすいが、中途採用でも本採用である。
しかし、現在の看護師の資格には、文部科学省や厚生労働省の指定した「学校」での教育が義務とされている。
そして、この「学校」での教育にいったいどんな理由があるのだろう。
学校で学ぶことにより、医療に携わる為の基本精神を教えると言うには、今の看護師の実態はあまりにも医療の基本精神からかけはなれている。
本来、職業柄として必要な夜勤などの体制を嫌がり、また、近年厳しい雇用情勢の中で、単純な理由で転職を繰り返す行動は、とても学校教育での成果が現れているとは言いがたい。
理念や精神を教えると言うことはとても難しく、現在の看護師の資質の向上を願うなら、学校教育での義務化を開放し、看護師の職業も一般社会の競争のように、解放することが真の資質の向上と考える。